COEDOが地元・川越に送る「エール」、地域資源に支えられたコエドブルワリーの歴史

COEDOが地元・川越に送る「エール」、地域資源に支えられたコエドブルワリーの歴史 画像

埼玉県川越市に拠点を置く醸造所・コエドブルワリーは、川越の代表的な年中行事でユネスコの無形文化遺産にも指定されている「川越まつり」がコロナ禍で中止となったことを受け、次回の開催を願う特別醸造ビール「祭エール-Matsuri Ale-」をリリース。発売を機に開かれたプレス向けの会見では、コエドブルワリーと川越の地域性との強い結びつきが語られました。地域に根差すブルワリーのこれまでの歩みと、ブルワーによる「祭エール」の解説をレポートします。

川越まつりに、ALEでYELLを送る「祭エール」

「祭エール-Matsuri Ale-」が販売開始となった2021年2月15日、コエドブルワリーの直営店「COEDO BREWERY THE RESTAURANT」で記者会見が行われました。登壇したのは、川越市長・川合善明さん、株式会社協同商事 コエドブルワリー 代表取締役社長・朝霧重治さん、そして「祭エール」の醸造を手掛けたコエドブルワリー・クラフトビール共創チームの似内彬人さん。

記者会見の様子

記者会見に臨んだ川越市長・川合善明さん(左)、株式会社協同商事 コエドブルワリー 代表取締役社長・朝霧重治さん(右)

コエドブルワリーはこれまでにも、ビールスタイルのエール(ALE)と、スポーツを応援する際などに使う“エール(YELL)を送る”という表現を結び付け、ALEを醸造することでYELLを送る取り組み「COEDO YELL PROJECT」を行ってきました。「祭エール」はその一環として企画され、新型コロナウイルスの感染拡大で中止となった地元・川越の「川越まつり」を応援し復活を願う商品として発売されました。

COEDO YELL PROJECTロゴ

「COEDO YELL PROJECT」のロゴ

朝霧さんが会見の冒頭で語ったのは、川越の地域性をもとに始まったコエドブルワリーのヒストリーでした。

※「祭エール-Matsuri Ale-」の商品詳細については、関連記事をご参照ください
COEDO、「川越まつり」復活祈念特別醸造ビール「祭エール-Matsuri Ale-」を発売

川越に根付く循環型農業、資源を有効活用することから始まったブルワリー

コエドブルワリーを運営する株式会社協同商事は、1970年代から川越の契約農家が栽培するオーガニックの農産物を流通・販売する事業を行ってきた会社です。今となっては当たり前になっている、生産者と消費者を結ぶ「産地直送」の流通形態に早くから取り組んできました。

川越とオーガニックには親和性があります。川越はもともと作物が育ちにくい土地で、木々の落ち葉を集めて堆肥化したり、麦を植えて土壌を改良したりする、自然を活かした循環型の農法が古くから根付いていました。川越の特産品であるサツマイモもそういった伝統農法を用いて栽培されてきた歴史があります。

コエドビールの定番ラインナップ

コエドの定番ラインナップ。一番右がコエドブルワリーの原点とも言える「紅赤-Beniaka-」

こだわって栽培した農産物も、サイズや形などを理由に廃棄されることがあります。規格外品となった地元産の農産物を捨てずに有効活用する手段として協同商事がスタートさせたのが、サツマイモを使ってビールを醸造する事業。1996年、コエドブルワリーの誕生です。

地ビールブームと、ブームの終焉、ドイツのマイスターを招いての品質向上を経て、コエドブランドの知名度は上がっていきました。紆余曲折ありながらも、定番ラインナップのなかで看板商品として筆頭に挙げられるのは今も、サツマイモを使った「紅赤-Beniaka-」。地元の農作物を使ったビールの醸造は現在も変わらず続けられています。

スピーチする朝霧さん

スピーチする朝霧さん

朝霧さんは「川越の通称である“小江戸”(コエド)を名乗らせてただき、この地域に活動の拠点を置くブルワリーとして事業をしてきました。これまで地元の資源を大事に使わせていただいてきたことを、大変ありがたく思っています」と語りました。そしてこのコロナ禍で、地域を元気に、地元の農を元気にするために何かできないかと考え、川越市とも話し合いながら「祭エール」のリリースに至った、と発売までの経緯を振り返りました。

「祭エール」は川越市産のお米を使ったペールエール

今回リリースとなった「祭エール」には、川越市産のお米が使われています。ビールスタイルはペールエール。スッキリした飲み口で、バランスのとれた味わいです。ホップのアロマは、ガツンとではなく、穏やかに香ります。

醸造担当のブルワー


コエドブルワリー・クラフトビール共創チームの似内彬人さん

レシピ開発と醸造を担当したのは、入社5年目の似内さん。「祭エール」は多くの方に飲んでいただけるように「クセのない味わいを意識し、ボディを軽く、アルコール度数も低めに仕上げた」と言います。

「お米を使ったビールはこれまでにも何回か醸造した経験がありました。お米を配合する割合が大きいほどビールはスッキリした味わいになり、色も淡くなります。ホップを使い過ぎたり、色の濃い麦芽を使ったりするとお米の感じがわからなくなってしまうので、お米を活かすレシピにしています」(似内さん)

コエドブルワリー「祭エール-Matsuri Ale-」

コエドブルワリー「祭エール-Matsuri Ale-」

朝霧さんも会見の中で「アジアのビール作りでは、お米を副原料に使うのは一般的なことです。クラフトビールというと個性的な味わいを想像される方もいらっしゃると思いますが、今回のビールは多くの方に馴染みをもって飲んでいただきたいと考えて仕上げました」と、味のコンセプトについて語りました。

今後の展開、全国のお祭りを応援?

「祭エール」は、次回の「川越まつり」を盛り上げるため、売り上げの一部が川越市に寄付されます。特別醸造のビールですが、反響によっては継続して生産する可能性も。さらに、このプロジェクトは全国の祭りを応援する企画に発展していくプランもあるとか。

川越まつりのポスター

「祭エール」のパッケージに使われた「川越まつり」のポスター

コロナ禍で全国各地の祭りやイベントが中止になっている状況で、地域に根差したブルワリーやクラフトビールが地元の行事を応援するプロジェクトを推進していく様子を見ると、ビールの力や、人・地域とのつながりを改めて感じます。各地のブルワリーも地域コミュニティとの関係性を見直す機会になっているのかもしれません。

コエドブルワリーの「祭エール」は酒販店・飲食店で販売。取り扱い店舗はコエドブルワリーのウェブサイトで公開を予定。ブルワリーの歴史や「川越まつり」の概要も合わせて、ぜひぜひチェックしてみてください。

【関連サイト】コエドビール
【関連サイト】川越まつり公式サイト

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