発酵と腐敗と熟成の違いとは

食材

食品に時間や手間をかけておいしくする技法は多々ありますが、その中でも発酵と熟成はお馴染みの技法です。しかし、食品をおいしくするにはそれなりの時間を要するため、腐敗していることに気づかない場合もあります。具体例や菌の種類も交えて、発酵と腐敗と熟成の違いについて解説していきます。

  1. 目次
  2. なぜ食品を発酵・熟成させるの?
  3. 菌の種類
  4. 発酵と腐敗と熟成の違い
  5. 発酵食品の具体例
  6. 熟成の具体例
  7. 発酵と腐敗と熟成の違いは大きい

なぜ食品を発酵・熟成させるの?

安価ですぐに食べられる、そして栄養たっぷりな発酵食品は納豆やヨーグルトなどのそのまま食べられるものから、味噌、食酢などの調味料まで幅広く存在します。

また、食品の質をより上げる熟成も近年よく見聞きする言葉になりました。食品を寝かせて熟成することによって、その食品が持つ旨みを更に引き立てることができます。

このように、発酵や熟成は豊かで健康的な食生活を送る上で欠かせません。特定の食品に発酵や熟成を施すことによって、人の体に有益な状態をもたらしてくれることが発酵や熟成です。

発酵と腐敗は紙一重

下記でも詳しく解説しますが、発酵食品は腐らないなどの説が出回っています。しかし、いくら発酵食品と言っても腐敗しやすい食品もあり、甘酒などは特に腐敗しやすい食品です。

塩分やアルコールが多いものは腐敗菌を防御するため味噌や醤油などは腐りにくい部類ですが、糖分を多く含んだ甘酒は腐敗菌が混入しても防御する成分が含まれていません。

食べる機会の多い納豆も、もともと腐っているから大丈夫と見聞きしますが、発酵食品であっても適切な環境に置かなければ腐敗することもあるのです。

菌の種類

菌の働きで食品を良くも悪くも変えますが、菌=悪いものだと考えている方も多いことでしょう。菌には種類があり、良い菌と悪い菌が存在します。

悪い菌

食品の腐敗を促す悪い菌は「腐敗菌」と呼ばれ、タンパク質やアミノ酸を分解してアンモニアなどの強烈な臭いを放ちます。

目では見えない微生物は人の手指や空気中、土壌中など様々な場所に点在しており、そこから食品に付着します。

製造元を離れるとその過程で菌の付着は起こりやすくなりますが、食品工場で菌の付着を一切なくすというのは非常に困難です。微生物が食品の中で増え、成分が変わることによって腐敗します。

良い菌

良い菌は腐敗ではなく、発酵して体に有益な状態を与える菌です。

「発酵菌」と呼ばれ、ヨーグルトでお馴染みの乳酸菌や麹菌などの菌は食品の質を高める良い菌です。

また、酢を作るために必要な酢酸菌や納豆を作るために必要な納豆菌といった酵母菌もお腹の調子を整えたり血液の流れを良くする欠かせない菌です。

発酵と腐敗と熟成の違い

発酵や熟成といった食品に何らかの手を加える製法は、普段食べている数多くの食品を作り出す上で必須です。しかし、発酵と腐敗と熟成はどれも時間を置くことが多いため、違いが分かりにくい部分があります。一歩間違えれば腐敗になってしまうこともあるため、発酵と腐敗と熟成の違いについてフォーカスしていきましょう。

発酵とは

発酵とは、微生物の動きによって食品の中の物質が変化し、人の体へプラスになる物質を作り出すことです。

発酵した食品は人の体に嬉しいだけではなく、保存に向く性質になったり、食べたときによりおいしいと感じる旨み、風味をアップさせる働きもあります。

発酵過程でアミノ酸やビタミンが生成されることで栄養価が高くなるため、発酵はおいしく体に良い食品作りをする上で必要なのです。

腐敗とは

腐敗とは、食品の中に含まれる微生物の働きで物質が変わり、人に悪影響を与えるもののことを指します。

腐って食べられない状態に当たる腐敗は、微生物が関与する点までは発酵と同じです。

しかし、発酵との違いは変化した状態が人に有益か有害かが大きな違いです。

実は発酵と腐敗にはきちんと決められた定義がなく、発酵か腐敗かを決めるのは作り手の判断に任されています。

目的のものを作ることができれば発酵、食べられないのであれば腐敗といった具合に、同じ現象が起きても発酵になることもあれば腐敗になることもあります。

熟成とは

熟成とは、特定の食品に温度や湿度、時間などの条件を設けて長期間置き、化学変化が生じることです。

発酵や腐敗のように、熟成に関しては必ず微生物が必要になるというわけではありません。厳密には微生物が産んだ化学物質がお互いに反応している状態ですが、そこで微生物が死んでいる場合があるため、生きている微生物が関わっているわけではないのです。

熟成は微生物なしでも食品が持つ酵素の働きなどにより寝かせることで分解され、旨みや香りが良くなります。熟成は発酵と同じように見えても過程や製法が異なります。

発酵食品の具体例

発酵食品を意識的に取り入れている方も多いですが、手軽に続けやすい納豆やキムチ以外にもたくさんの発酵食品が存在します。

調味料

醤油、味噌、酢、タバスコ、ワインビネガーなどが調味料類の発酵食品です。各調味料は非常に種類があり、使う材料や製造法など細かく異なります。

野菜類

野菜由来の発酵食品はいわゆる漬け物のことです。ピクルスやキムチ、メンマ、ザーサイ、わさび漬け、ぬか漬け、奈良漬け、べったら漬け、野沢菜、ザワークラウトなどがあります。

豆類

豆由来となっている発酵食品は納豆やテンペ、バニラビーンズ、腐乳、豆腐ようなどです。

乳製品

乳酸菌を使用して作られる発酵食品は、チーズやヨーグルト、サワークリーム、発酵バターなどがあります。

肉類

肉を使用する発酵食品は、生ハムやサラミ、キビヤックなどがあります。作り方は非常に幅広く、酵母を使ったりカビを使ったりと様々な製造方法があります。

魚介類

魚介類の発酵食品は、塩辛やくさや、なれ寿司、かつお節、へしこ、アンチョビ、ホンオフェ、舞昆などがあります。地域や国によって数多くの魚介類を用いた発酵食品が存在します。

酒類・お茶

酒類の他にも、発酵食品に当たるお茶も存在します。紅茶やウーロン茶、プーアール茶などがお茶の発酵食品で、日本酒や焼酎、ビール、泡盛、ワイン、マッコリ、甘酒、酒粕などが酒類の発酵食品です。

パン

発酵食品という観点ではパンも該当します。酵母菌とイースト菌などを小麦粉と合わせ、発酵したものを焼きます。

このように、日本以外に他国を含むと書き切れないほど発酵食品は存在します。

熟成の具体例

味噌・醤油・酒(ワイン)

発酵食品のカテゴリーに含まれる味噌や醤油、酒ですが、これらは過程で発酵と熟成が行われているため発酵食品とも熟成食品とも言えます。味噌や醤油はアミノ酸と糖が反応して色が変わり、褐色したのち香りがアップします。ワインなどの酒類も酸味と渋味がまろやかさに変わり、より洗練された味わいへと変化します。

黒にんにく

自己発酵させることにより熟成された黒にんにくも人気が高い食品です。にんにくを熟成させることにより、糖度が増しておいしくなります。

肉や魚

熟成させる食品の中で最も登場頻度の高い食品は肉類や魚介類です。タンパク質が分解されてアミノ酸が増えることにより、おいしさの深みが高まります。熟成させたエイジングフィッシュやエイジングビーフは人気が爆発的に高まり、今では食の一部として定着しています。

発酵と腐敗と熟成の違いは大きい

発酵や熟成は食品をおいしくして質を上げる作用がありますが、腐敗と紙一重な部分があるため区別が難しいところです。明確な定義はないですが、発酵と腐敗と熟成の状態を知って毎日の食生活に役立ててくださいね。

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