熟成肉と腐った肉の違いって?おいしいを見極めよう

熟成肉

肉の旨みが凝縮された熟成肉は非常に価値の高いものですが、自分で作るとまずい腐った肉と判断が付かない場合があるため、正しい作り方や見た目の違い、匂い(臭い)の違い、期間などを知ることが大切です。本ページでは、間違えやすい熟成肉と腐った肉の具体的な違いをご紹介します。

  1. 目次
  2. 特別なお肉である「熟成肉」
  3. 熟成肉の製法は基本的に2つ
  4. どこにある?熟成肉と腐った肉の違い
  5. 熟成肉の作り方と注意点
  6. 熟成肉と腐った肉の変化に気を付けよう

特別なお肉である「熟成肉」

食欲を掻き立てる「熟成」というワードは近年大注目されており、特別感や高級感を漂わせる熟成という肉の育成法は「エイジングビーフ」という呼び名で多くの人の舌を楽しませています。飲食店などで巨大な肉塊を吊るしている現場を見たことがあるという方も多いですが、カチカチの表面を削ってみると中の肉がまるで宝石のように輝いて顔を出した風景に驚いたという方もいるでしょう。

熟成肉にする理由はおいしさ一択

肉を寝かせて熟成させる理由は、旨みをアップしておいしくさせることに尽きます。肉に含まれるタンパク質をおいしいと感じさせる旨みに変えることが熟成を行う最大の目的です。

熟成肉を作るためには適切な湿度、温度、空気の流れ、時間などのあらゆる条件が必要になります。そのため、頃合いを見誤ると熟成されず腐敗肉になってしまう可能性が非常に高くなります。

熟成肉の定義

これだけ熟成肉という言葉を耳にする現代ですが、実は熟成肉の正確な定義は決まっていません。作り手がほんの少し肉を置いて寝かせただけでも、熟成させた肉だと発言すればそれは熟成肉となるのです。

決まった条件はないですが、適切に熟成を施された肉は味わいが大きく違うため、食べてみると区別が付きやすいでしょう。

熟成肉の製法は基本的に2つ

細かく決められた定義がない熟成肉ですが、製法に関しては基本的に2つの種類があります。「ドライエイジングビーフ」と呼ばれるものと「ウェットエイジングビーフ」と呼ばれるものです。エイジングの意味となる熟成をドライ(乾燥)させるのか、ウェット(湿った保湿状態)でさせるのかによってこのどちらかに分かれます。

ちなみにウェットエイジングはもともと、輸送用の肉を劣化から守るために考えられた保存法です。数日寝かせた肉は食べてみるとおいしさや旨みが増していたため、それからウェットエイジングと呼ばれるようになりました。

しかし、ウェットエイジングはドライエイジングと比較すると旨みが格段に増すわけではありません。熟成肉独特の香りが発生することもないため、似ているようでドライとウェットには仕上がりに大きな違いがあります。

余談として、この他にも日本で伝統技法とされている「枯らし熟成」や、乳酸菌を付着させて作る「乳酸菌熟成」なども熟成肉を作る際に存在する方法です。

どこにある?熟成肉と腐った肉の違い

適切に管理された熟成肉は見たことがある方ならご存じのように、肉質が黒っぽく硬い見た目をしています。一見腐っていると感じますが、熟成肉はそういった見た目でも中の肉は旨みを持っている状態です。では熟成肉と腐った肉の違いはどこを見て判断すれば良いのでしょうか。

見た目の違い

熟成の先に待っているのが腐敗です。紙一重な熟成と腐敗ですが、見た目で判断するのは少々難しいと言えます。熟成肉が仕上がっている頃には肉の表面に変色が見られるため、腐っているかどうかを見分けるのは難しいと言えるでしょう。

匂い(臭い)の違い

正しく熟成された熟成肉(特にドライエイジングビーフ)は、ナッツのような香ばしい香りを楽しむことができます。熟成された期間を長く設けるほど質に磨きがかかり、ナッツ臭も強くなります。

それに比べ、腐った肉は誰が嗅いでも酸っぱいような刺激臭を感じます。しかし、例外として脂の多い部位を熟成肉としている場合はチーズに似たような変性を見せるため、香りがブルーチーズのように仕上がる場合もあります。

味の違い

熟成肉と腐った肉の大きな違いはやはり味でしょう。腐った肉はとにかくまずいと感じますが、熟成された肉は旨みとは何かを理解するのに十分な旨みを味わえます。凝縮された旨みは後を引くおいしさです。

熟成肉の作り方と注意点

家庭でも熟成肉をたっぷり食べたいという方もいるでしょう。結論として、自分で作ることは不可能ではありませんが、非常にたくさんのことについて注意が必要です。一歩間違えれば腐った肉になる可能性があるため、ステップを厳守して進めていきましょう。

熟成肉を作るために必要な条件はかなりシビア

熟成肉はただ肉を放置するだけではできません。更に脂の部分は熟成がより困難になるため、できるだけ赤身の部分が多い肉が必要になります。

ドライエイジングの場合、これに加えて10kg程度のできるだけ大きい肉塊を用意することも必須です。表面が乾燥した肉は削り落とす必要があるため、小さい肉では食べる部分がなくなってしまうからです。

おいしい熟成肉を作るために必要な環境は1~3℃前後の温度と70~80%程度の湿度、そして常に強い風を当て続けることです。

これらの条件はドライエイジングビーフを作る上で基本的な項目であり、全てを厳守したからと言って確実に熟成肉が完成する保障はありません。熟成させる期間は肉の状態や質にも異なりますが、目安としては20~60日程度です。

ドライエイジングの作り方

上記でも少々触れましたが、ドライエイジングは整った設備とプロの判断ができる人が扱うのが一番です。

湿度70~80%で1~3℃の冷蔵庫で熟成させていきますが、家庭用の冷蔵庫では何度も開け閉めすることになり、温度や湿度などの環境が変わるためドライエイジングに適した環境とは言えません

1~3℃の温度を保てる熟成庫などの専用の設備に加え、常に風を起こす機械も必要です。

20~60日寝かせると肉の表面が乾燥してきたりカビが出てくるため、食べる際はその部分を削り取る必要があります。

しかし、問題はまだまだあり、熟成庫で寝ていた肉の表面には微生物が付着しています。この削っている作業で微生物が可食部の肉に付着すると衛生上非常に良くありません。注意点がたくさんあり、目安とされる期間寝かせれば必ず完成するという確証はないため、プロ以外が行うと非効率で現実的ではありません

ドライエイジングによる熟成牛肉をさばく動画が分かりやすかったので貼っておきますね。

この動画を見る限り一般人には肉の熟成は金銭的にも難しいなぁと感じました。そもそもあの肉の塊を購入して設備整えて3週間待って、表面や傷んだ部分を削除して・・・

ウェットエイジングの作り方

ウェットエイジングはドライエイジングのように巨大な肉ではなく、小分けにした肉を真空パックに入れて熟成させていきます。手間やコストが抑えられたウェットエイジングは飲食店でも取り入れられている方法です。

ウェットエイジングで熟成肉を作るには、吸水紙を肉に当てながら真空パックにしていき、ドライエイジングと同様に1~3℃の冷蔵庫で寝かせていきます。余分な水分の流出を見つつ、吸水紙を取り替えて30~60日程度寝かせていきます。

熟成肉を作れるとされるウェットエイジングですが、注意したい点は「ドライエイジングと同じようなものはできない」ということです。ウェットエイジングは旨み、香り共にそこまで発生するものではないということだけ覚えておくと良いでしょう。

熟成肉と腐った肉の変化に気を付けよう

店舗で食べるなら何の心配もありませんが、自分で作った熟成肉を作る際は腐っていないかどうか確実に判断してから口にすることが第一です。しかし、温度や湿度などの環境を常に一定にするのは思いの他大変ですから、できるだけお店で提供されている熟成肉を楽しむようにしましょう。

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